2006年08月03日
中環 風水戦争&高層ビル
会社帰りに、スターフェリーのバスターミナルでコンドミニアム専用のシャトルバスを待つとき、ライトアップされた、セントラルのビルを眺めるのが、日課だ。
どれひとつとして、同じようなビルはなく、夜のライトアップも独創的で、その光景は、とても綺麗だ。昼も夜も楽しむことができる。
特に有名な建物が、三角のガラスで有名な中国銀行ビル(70F)(写真左)と、その隣の一面ガラス張りの長江ビル(70F)(写真中央)、そして、蟹のような、ちょいといまでは、低めビルの香港上海銀行(写真右)だ。香港上海ビルの屋上には大砲が2門あるが、中国銀行ビルに狙いを定めているとも言われているがよく見るとすこしずれているようだ。
ちょいと、昔にこのビル間で風水戦争が起きている。シンガポールでもそうだったが、香港では、風水が非常に重要に受け入れられている。ビル建設から、オフィスの内部の配置などに、すべて反映されている。
以前、香港で勤務していた時、テレビモニターを全員でみれるように、設置したのだが、風水的によくないと撤去されて、非常に不便だった。結局ビジネスも、うまくいかなかった。やはり風水だけではビジネスは成功しないようだ。
それはともかく、中国銀行は、三角のガラスでかたどられたビルを建設したが、風水的には三角は剣の象徴で、その剣の矛先が、香港総督に向けられ、まわりに邪気を振りまいていると香港政庁まで巻き込む騒ぎになったそうだ。その邪気を払いのけるために、となりの長江ビルは全面ガラス張りで建設されたとか、香港上海のビルの1Fは吹き抜け(写真左)になっているのだが、それは、中国銀行ビルからの邪気を海に流すためだとか、いろいろ言われている。
風水論争以来、中環は、風水的には、よろしくない場所というレッテルを貼られているそうだ。しかし、金融ビジネスの中心ということもあって、それだけの理由で、会社を移転することもできないだろう。
なんか迷信くさいが、香港人はまじめに考えている。私たちのオフィスの部屋にも、金の鳥の置物(写真左)があるのだが、我々が、かっこ悪いので窓際から動かして端っこに片付けると、香港人が、大真面目な顔をして、これは、中国銀行ビルの邪気を跳ね返すために、窓から中国銀行ビルに向けておいて置かないといけないと言われた。ほかの部屋をのぞいてみると、この金の鳥がみんな窓際に置いてあった。
日本では 風水師といえば、へんてこりんな、けばけばしいジャケットを着てテレビでもっともらしいことを言っているおっさんのDr・コパが有名だが、香港にはこういうおっさんが、たくさんいるらしい。
それにしても、このおっさん、調子のいいことばっかり言っていて金儲けになるのだから、笑いがとまらないだろう。これも風水のおかげ?
それはそれで、スターフェリー乗り場で眺めるビルの夜景は、一日の疲れをいやしてくれる。中国銀行ビルがしばらく香港では、一番高いビルだったが、いまでは、2003年7月15日に完成した、地上88階建ての国際金融センター(IFC-2)が高さ420メートルで香港で一番高いビルだ。なんとあの、ビクトリアピーク(山頂)の展望台よりも高い。海沿いにほかのビルと離れてそびえたつこのビルは、香港の新観光名所で、ひときわ目立ち、香港の現在の勢いを象徴しているビルだ。